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個性と技能の融合:分身ロボットカフェにて2人で1人!? 共創アバターロボット実験イベントを開催
今回、技能融合型サイバネティック・アバターを用いた未来の働き方の実現に向けた実証実験として、株式会社オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」にて、複数の遠隔操作者の共創により互いの個性や得意不得意をかけ合わせパンケーキのトッピングを行う「共創アバターロボット実験」の公開実験イベントを開催します。今回開発した融合操作環境によって、多様な身体表現などが可能になり、就労における作業やコミュニケーション表現の幅を広げることが可能になるとともに、重度障害などを抱えた方も創造的に働くことができ、個人がもつ個性や技能の融合による新たな創造性の幅を広げることが期待できます。
ムーンショット型研究開発事業ムーンショット目標1「人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」の研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(プロジェクトマネージャー:南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科・教授))では、技能融合研究グループリーダーである名古屋工業大学大学院工学研究科の田中由浩教授らが中心となり、サイバネティック・アバターを通した技能融合技術* を開発しています。
*技能融合技術とは、本研究開発プロジェクトにおいてサイバネティック・アバター技術の1つとして掲げている、複数人のアバター操作者が同時に連携協調して1つのアバターを操作することにより、各操作者がもつ固有のスキルを組み合わせ、個人の得意不得意を超えてアバターを通した行動を可能とする技術を指します。
今回、技能融合型サイバネティック・アバターを用いた未来の働き方の実現に向けた実証実験として、2022年11月2日(水)に株式会社オリィ研究所が運営する「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」** を舞台として、複数の遠隔操作者(以下、パイロット)の共創により互いの個性や得意不得意をかけ合わせパンケーキのトッピングを行う「共創アバターロボット実験」の公開実験イベントを開催します。
**株式会社オリィ研究所が運営する東京・日本橋にある常設実験店「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」(2021年6月オープン)では、ALS/SMAなどの難病や重度障害などの理由で外出困難な人々が分身ロボット(OriHime、OriHime-D)の遠隔操作者(以下:パイロット)としてカフェサービスを提供しています。
分身ロボットカフェでは、約70名の外出困難なパイロットたちがOriHimeを使って、お客様からオーダーをとったり、配膳したりするなどの就労実験を行っています。
その中で、ベテランパイロットたちは、より顧客にカフェ体験を楽しんでもらえるように、OriHimeで可能なジェスチャーを組み合わせ、独自のジェスチャーでふるまいを表現し、自身の個性や感情を表現しています。
今回、このようなパイロットの創造的なコミュニケーションを支援するため、より多様な表現や作業を行うことのできる操作環境を開発しました。身体的な制約がある2人のパイロットが互いのアイトラッキングやトラックボールなどそれぞれの身体的特性にあわせた方法による操作を連携協調することで、1台のロボットアームを多彩に動かすことができるシステムです。融合操作環境では、相手の操作画面の動きを通じて会話なども交えたコミュニケーションをとりながら連携協調した操作を行い、個性や技能を融合しながらスムーズで多様な動きが実現可能になりました。
2人のパイロットの連携協調による、分身ロボットOhiHimeとロボットアームを用いたトライアルの様子
このような開発を通じて、OriHime、OriHime-Dでの接客に加えて、ロボットアームを用いて、多様な身体表現などが可能になり、就労における作業やコミュニケーション表現の幅を広げることができます。この融合操作環境によって、重度障害などを抱えた方も創造的に働くことができることに加え、個人がもつ個性や技能の融合による新たな創造性の幅を広げることが期待できます。
公開実験では、元料理人のパイロットや視線によって素早くロボットを操作するパイロットなど、個性豊かなパイロットたちが融合し、創意工夫の発揮、創造性が求められる作業であるパンケーキのトッピングを制作する様子をご覧いただきます。また、公開実験と並行し、実験の様子の解説や制作背景の紹介、ムーンショット型研究開発事業ムーンショット目標1が推進する人々の多彩な技能や経験を共有できるサイバネティック・アバター技術がつくる未来像を考えるトークイベントを開催します。
イベント概要
■イベント名
2人で1人!? 共創アバターロボット実験 in 「分身ロボットカフェ DAWN ver.β」
Collaborative Avatar experiment in AVATAR ROBOT CAFE DAWN ver.β
■日時
11/2(水)17:00-19:00 ※開場:16:30
17:00-18:00 パンケーキトッピング実験
18:00-19:00 トークセッション ※オンラインでも配信します
■場所
分身ロボットカフェ DAWN ver.β
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3丁目8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3 1階
■参加申し込み
定員:32名(会場参加)
こちらのウェブサイトからお申し込みください。
https://cybernetic-being.org/activities/202211_collaborative_avatar_cafe/
■詳細情報
パンケーキトッピング実験は、カフェ空間においてパイロットがロボットアームを遠隔操作し、パンケーキのトッピングを行う様子をご観覧いただきます。製作中のパイロットとコミュニケーションをとり、トッピング内容などを決めていただくインタラクション型の体験となっています。トークセッションは、本プロジェクトの制作背景や、実験の様子の振り返り、人々の多彩な技能や経験を共有できるサイバネティック・アバター技術がつくる未来像を考えるトークイベントを開催します。
※トークイベントはプロジェクトのYouTubeチャンネルでリアルタイムで配信いたします。申し込み不要でどなたでもご覧いただけます。
https://www.youtube.com/channel/UC-1cahsKmWuGN_KtXwqPSzA
※予定は変更になる場合があります。変更などの詳細はプロジェクトサイトにて告知いたします。
https://cybernetic-being.org/
※参加申し込みはウェブサイトからお願いいたします。また、体験は相席での体験となりますので、ご了承ください。
※イベント当日は、動画、写真撮影などを行います。また、トークイベントの様子もオンライン配信されます。ご了承ください。
■イベント出演者
- おおのっち(パイロット)
- カーリー(パイロット)
- だいち(パイロット)
- マサ(パイロット)
- 吉藤オリィ(株式会社オリィ研究所)
- 加藤寛聡(株式会社オリィ研究所)
- 南澤孝太(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
- 小原和也(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
- 田中由浩(名古屋工業大学大学院工学研究科)
- 湯川光(名古屋工業大学大学院工学研究科)
※出演者は変更になる場合があります。
主催
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
(ムーンショット型研究開発事業ムーンショット目標1「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発」(Project Cybernetic being)代表機関)
共催
株式会社オリィ研究所
国立大学法人名古屋工業大学
協力
HUMAN AGENT INTERACTION LABORATORY(HAI-LAB)
慶應義塾大学理工学部管理工学科
avatarin株式会社
プロジェクト・関係機関のご紹介
※科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業について
内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」は、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進するものです。
https://www.jst.go.jp/moonshot/index.html
※Project Cybernetic beingについて
本プロジェクトは、ムーンショット型研究開発事業ムーンショット目標1「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」研究開発プロジェクト「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発(Project Cybernetic being)」です。人々が自身の能力を最大限に発揮し、多様な人々の多彩な技能や経験を共有できるサイバネティック・アバター技術を開発します。技能や経験を相互に利活用する場合の制度的・倫理的課題を考慮して、人と社会に調和した、身体的な技能や経験を流通する社会基盤の構築を目指します。
https://cybernetic-being.org/