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【イベントレポート】マネーフォワードとオリィ研究所の実践から学ぶ “働き続けられる” 障害者雇用

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<9月は障害者雇用支援月間>

〜「雇う」から「ともに働く」へ〜

株式会社オリィ研究所(本社:東京都中央区、代表取締役  吉藤 健太朗・笹山 正浩、以下「オリィ研究所」)は、株式会社マネーフォワード(本社:東京都港区、代表取締役社長グループCEO 辻庸介)と共同で、9月の障害者雇用支援月間を機会としたイベント、『〜「雇う」から「ともに働く」へ〜 マネーフォワードとオリィ研究所の実践から学ぶ “働き続けられる” 障害者雇用』を2025年9月22日に開催いたしました。

【イベント実施の背景】

2026年7月に障害者雇用の法定雇用率の引き上げが予定されている今、「数字の達成」だけではなく、障害のある方に「いかに定着していただき、働きがいを持って仕事に取り組んでいただくか」に目を向けた取り組みや制度設計が求められています。
本イベントは、精神・知的障害のある方の “定着率向上” を実現するマネーフォワードと、身体障害など移動困難な事情を抱える方が “分身ロボットOriHime” を通じて活躍するオリィ研究所の事例をもとに、「障害のある方とどう働き続けるか」をテーマに、現場の声と実践をお届けしました。

【イベントの模様】

<登壇者>
石井 一弘 氏
(株式会社マネーフォワード ビジネスサポート本部 本部長) 
功刀 将之 氏
(株式会社マネーフォワード People Forward本部 Talent Growth部)
中島 瑛美
(株式会社オリィ研究所 事業開発部 雇用支援チーム) 
牧野美保
(株式会社オリィ研究所 事業開発部 雇用支援チーム / OriHimeパイロット)

1.オリィ研究所の障害者雇用×テレワークの取り組み紹介

オリィ研究所の中島からは、分身ロボット「OriHime」を「AIではなく、誰かの分身」であると強調。テクノロジーによって、移動、対話、役割の選択肢を広げる存在だと語りました。同社が取り組む事業の中でも、特に分身ロボットカフェでは、病気や障害、育児、介護など様々な理由で移動困難な人々に社会参加や就労の機会を提供していると紹介。

続いて登壇した牧野は、分身ロボットカフェでの経験を経て、人材紹介サービスFLEMEE(フレミー)の人材/企業担当へとキャリアチェンジした自身の歩みを紹介しました。車いすを利用しながらも未経験で飛び込み、今ではキャリアアドバイザーのチームリーダーとして、新人教育や数値管理も担う活躍ぶりを共有しました。

2.マネーフォワードの障害者雇用×テレワークの取り組み紹介

マネーフォワードの石井氏からは、障害者雇用の取り組みが紹介されました。雇用率3.18%(2025年6月時点)を達成し、高い定着率を誇る背景には、「雇う」から「ともに働く」への意識改革があるといいます。合理的配慮やキャリアアップ支援、ピアサポートを重視し、傷病や必要な配慮を社内でオープンに共有できる環境が、柔軟な働き方を支えていると語りました。

3.障害当事者を交えたクロストーク

後半のクロストークでは、オリィ研究所の牧野とマネーフォワードの功刀氏が登壇。それぞれのキャリアの変化と挑戦について語りました。
マネーフォワードの功刀氏は、入社後の異動で「仕事は与えられるものではなく、自ら開拓するもの」だと学んだと話しました。一方、OriHimeパイロットからキャリアアドバイザーへ転身した牧野は、社内のフィードバックを元に作成したマニュアルをチームに還元したエピソードを共有。両氏に共通していたのは、定期的な1on1を通じて、体調やプライベートな話題も気軽に相談できる環境が、働き続けるモチベーションになっていることでした。

企業側の視点として、オリィ研究所の中島は「本人が求めていないことを先回りせず、対話を通じて本当に必要な支援を見極めることが大切」と強調。マネーフォワードの石井氏も「失敗できる環境作りが重要」と述べ、一人ひとりの希望と会社の方向性をすり合わせることで、双方にとって価値のあるキャリアが築けると語りました。

4.質疑応答

質疑応答では、「障害者雇用だからこそ生まれた価値」について議論が交わされました。
マネーフォワードの石井氏は、オープンマインドで相互理解を深めることが働きやすさにつながると強調しました。誰が何を得意としているかを理解すれば、障害の有無を問わず仕事がしやすくなり、さらに、一人ひとりの「やりたいこと」と会社の目指す方向をすり合わせることで、双方にとってメリットのある強い組織が生まれると述べました。

オリィ研究所では、「移動困難」という共通の属性に加え、障害の有無や年齢、経験の有無といった枠組みを超えて多様な人々が働いている背景から、働く社員一人ひとりに「誰もがさまざまな事情を抱えている」という理解と想像力が生まれやすく、障害のある社員が働くという範囲を超え、会社全体の成長に繋がる価値を生み出していると語りました。
そして、どんな事情を抱えていても働ける環境をつくることを重視し、その実践をまずは小さな規模から社内で進めていきたいと回答しました。

オリィ研究所は、このようなイベントをはじめとした取り組みを通じて、障害者雇用を「支える/支えられる」という一方向の関係ではなく、双方向で価値を生み出す協働の関係へと変えていくことの重要性を伝えてまいりたいと思います。