MISSION
オリィ研究所とは
オリィ研究所は、孤独化の要因となる 「移動」「対話」「役割」などの課題をテクノロジーで解決し、 これからの時代の新たな「社会参加」を実現します。
孤独とは何か
「自分が誰からも必要とされていないと感じ、辛さや苦しさに苛まれる状況」
これがオリィ研究所における孤独の定義です。では、孤独はなぜ生まれるのでしょうか。私たちは普段、移動(=外に出かける)、対話(=意思疎通を行う)、役割(=仕事をする)などを行うことで社会に参加しています。しかし、何らかの理由でそれらが不可能になると、社会へのアクセス自体が閉ざされ、自分に無力さを感じ、人を避けるようになるという悪循環に陥ってしまいます。この社会への帰属感の喪失こそが孤独の原因だと私たちは考えます。
社会問題化する孤独
現在日本には、病気やけがで学校に通えない子どもが4万人以上います。また、15歳〜39歳人口における広義のひきこもりの推計数は54万人、ひとり暮らし高齢者は900万人という数に上ります。身体障害・高齢・育児などの理由で、外出する際に何らかの困難を伴う「移動制約者」は3,400万人を超えるというデータもあります。国際的にみても、2018年にはイギリスで「孤独担当大臣」のポストが内閣に新設されました。孤独は、鬱や認知症の原因になるともいわれており、確実に社会問題化しています。
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病気やけがで学校に通えない子ども
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ひとり暮らしの高齢者
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外出に困難を感じる移動制約者
コミュニケーションテクノロジーの開発
従来、孤独の問題は「本人の努力」や「周囲の支援」以外に解決の方法がありませんでした。しかし、その根本原因である「移動」「対話」「役割」などの課題を克服するためには、個人の力だけでなく、テクノロジーの力が不可欠です。そこで私たちは、人々のより良い社会参加を支援するテクノロジー、つまりコミュニケーションテクノロジーを開発し、社会実装する取り組みを推進しています。
「分身」による新たな社会参加を
オリィ研究所では、孤独の問題を解決するツールとして2009年より「もう一つの身体」である分身ロボットを提唱し、「分身産業」の開拓を見据えた研究開発を進めてきました。インターネットを通じて遠隔操作できる分身があれば「移動」の課題は消失し、距離や身体障害に影響されない心の外出が可能になります。また、分身がコミュニケーションを支援できれば「対話」の負担は軽減します。さらに、従来のテレワークでは困難だった肉体労働や接客など、より多くの選択肢から「役割」を獲得することも可能です。
孤独を解消し、社会の可能性を拡張する
私たちはこれまでに
- 遠隔操作でありながら、「その場にいる」感覚を共有できる分身ロボット『OriHime』
- 難病や身体障害があっても、目の動きだけで意思伝達を行える『OriHime eye』
- テレワークにおける身体的社会参加を可能にする分身ロボット『OriHime-D』
などのプロダクトを世の中に送り出してきました。 コミュニケーションテクノロジーによって新たな形の社会参加を実現し、人々の孤独を解消すると共に、社会そのものの可能性を拡張していくこと。それがオリィ研究所のミッションです。